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ボヘミアンラプソディ クイーン ライブエイド

ボヘミアンラプソディ クイーン ライブエイド

 

今回紹介する映画「ボヘミアンラプソディ」は、公開前はラミ・マレックがフレディ・マーキュリーを演じるクイーンの伝記映画だった。私はクイーンの大ファンだったため、半信半疑で公開時に見に行ったが、その映画は宣伝以上のものだった。通常のミュージカル映画とは違い、観客が一緒に歌うのはもちろんだが、あの時代にクイーンを見られなかった年代さえも、クイーンのライブを通じてその熱を感じられる映画だった。

この映画はボーカルのフレディ・マーキュリーを視点とした、イギリスのバンド「クイーン」の結成時1970年から1985年に開催されたライブエイドまでを描いた伝記映画である。音楽プロデューサーもメンバーのブライアン•メイとロジャー・テイラーが務めるなど、バンド自身の姿も忠実に再現されている。思わず見たファンは、「この動き彼らもしてた」と、ニヤッとしたくなるシーンも多くある。ブライアン・メイを演じたグウィリム・リーなんかは、もはや本物なのではないかと疑いたくなるほど似ている。もちろん他のメンバーも。表現以上に、視聴者が見ていて違和感なく映画の世界に入り込めることは重要だ。

また、クイーンには日本人には馴染みのある曲が多い。数多くのCMやドラマの主題歌に起用されており、「ウィー・ウィル・ロック・ユー」などは恐らくみんながリズムを手で叩いてスポーツチームを応援したりしたのではないか。私も大好きな曲だ。他にも「レディオ・ガガ」「ウィー・アー・ザ・チャンピオン」「ドント・ストップ・ミー・ナウ」など耳にしたことのあるヒット曲も流れている。そんな口ずさめる曲が満載だったこの映画は、映画公開時に「応援上映」という企画が多くの劇場で上映されていた。私は気づけば5回も参加していた。映画の中身はまだわからないものの、ロックバンドの映画であれば好きな曲がかかればきっと多くの人たちが反応するのだろう、と軽い気持ちで行ったが違った。みんながクイーンのライブをまるで見ているかのように、1曲1曲歓声が上がる。応援上映の際は一緒に歌えるように下部に歌詞の字幕が表示されており、口ずさむ観客も少なからずいる。ラストのライブエイドの映像では、自分たちまでもがライブエイドの観客だった。ファンたちは、当時を懐かしむ人もあれば、まだ体験していなかったクイーンのライブをまるで見ているかのような気分になり、かく言う私も本当のライブに参加出来たような気分だった。その場にフレディ・マーキュリーが蘇ったような気持ちになり、涙していた。公開当初はTシャツを着ていたり、フレディ・マーキュリーのコスプレをしている人も中にはいた。映画という枠を超えて、観客が映画の中の映像に参加が出来る映画だった。

ライブエイドのシーンは映画単品で見ただけでも、会場の観客の迫力や彼らのクイーンらしい動きの再現度は素晴らしいものだったが、YouTubeなどで上がっている実際のライブエイドの映像と照らし合わせた動画を見ると、彼らはまさにクイーンと同じ動きをしている。ファンを納得させ、また新参者にも彼らのすごさを伝えている。ちなみに観客の映像が上空から映し出されるシーンがあるが、まるでエキストラを集めたように見えるがほぼCGというのも映画技術の進歩を見せつけられる。ストーリーは実際のクイーンの歴史と多少の時代錯誤や表現の違いがあるという。例えば、ライブエイドの際、映画ではライブ前にフレディ・マーキュリーは自分がHIVに感染していることをメンバーに告げ、それをバネにしてライブに挑む姿が描かれている。しかし実際には、ブライアン・メイが語るところによれば、それを醸し出す治療など耳にはしていたが、その当時はまだ告白されていなかったとのことだった。そのような歴史的相違はあるものの、この映画は事実を忠実に描く映画ではなく、クイーンというバンドをモチーフにしたバンド映画であるということを念頭に置きたい。

公開をされれば多少の批判もあるかもしれないし、そんな相違を見逃せないファンや批評家も数多くいるかもしれない。そんな中でもこの映画がヒットしたのは、それ以上に人々を惹きつける演出があったからに違いない。また、今まで知っていた曲でも実際にどのようにして作られたのか、レコーディングはどんな風に行われていたのかを伝えるのは、雑誌の記事などファンだからこそ知り得た事実であり、そんな簡単に曲を知っている程度の人々には知り得ない事実だった。フレディ・マーキュリーのクイーンとの関係や彼の人生を共に辿りながら、数々の名曲の成り立ちを追っていくことで、曲を生み出しセールスを行う大変さやバンドとしての人間関係のつながりを垣間見れることで、よりライブエイドでの彼らの姿がかっこよく映るのかもしれない。そして、そんな若返った彼ら、フレディがいた時代に戻ることの出来たファンが、ライブの追っかけのように何度も劇場に足を運び、当時のクイーンに会いに来たのかもしれない。それが大ヒットの理由であり、クイーンが世界中から愛される理由であると思う。

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